きのけんぶろぐ

政治社会とエンタメを等しく興味をもって発信するブログを目指しています

人手不足解消に外国人労働者を使うのは事業継続リスクを先延ばしにしかできない理由

都市のコンビニに行けばほとんどが外国人労働者がレジ打ちしている。飲食店のホールも外国人だ。

わたしの職場も、外国人材が多く登用されている。そして増え続けている。

 

まず最初に断っておくが、外国人労働者は生まれ育った国から離れ、言語がうまく使えない国で働いて母国の家族に仕送りする。そういう働き方を、わたしは真似できない。

そうした環境に身を置いてまで働く彼・彼女らは日本経済の支え手であって、日本人の雇用を奪う敵では決してない。

それをいうなら日本人が働けばいいが、そうはならない。日本人が割に合わないと感じ、人手不足の厳しい職場に経営者が当て込んでいるだけだ。外国人が無理やり割り込んできたわけではない。

 

その上で、これが人手不足解消の根本的解決になっていない可能性について本エントリーで示す。

 

もう10年以上前になるが、インドネシア人看護師を迎えた時期がある。彼らは日本人の働き方にこう言い放った。

 

「日本人は時間を守らない。遅刻に対しては大変厳しいのに、仕事の終了の時間は守ったことがありません」 

 

ぐうの音も出ない。あれから2026年現在、日本の職場環境は大して変わっていない。遅刻にはうるさいが、定時よりほんの少しでも早く帰ると文句を言われる。少しでも労働者から労働時間をかすめ取ろうとするセコいところは何も変わらない。

 

その日本人経営者の是非はともかく、これを受け入れられる外国人労働者はいない。ほとんどの外国人労働者が定時前になるとソワソワしだす。すぐさま帰れるようウロウロし始める。

確かに雇用契約で労働時間を設定している以上、時間以上に働かせるのはNGだが、これほどまでにあけすけな態度を見せる日本人労働者は、ちょっと見たことがない。

 

これは一つの例だが、日本人の労働に対する感覚は、外国人労働者と必ずしも共有されない。これが一点。

もう一つはより露骨でシビアな話。コミュニケーションの壁だ。

 

少なくとも私の職場にいる外国人労働者は半数以上が日本語が不得手だ。働いて何年も経つ外国人労働者もいるが、日本語は上達しない。上達させるインセンティブがないのだろう。

職場においては現場に丸投げで言語に精通した日本人労働者はいないので、少し日本語が達者な外国人労働者に間に入ってもらって教育する。指示や注意をする。それ以上は望めない。

くらしにおいても住宅は会社が提供、食品スーパーもセルフレジを使えば会話がいらない。

 

これで一応、成り立ってはいる。だが、このまま外国人労働者が10年選手になってもコミュニケーションに難がある状態ではどうか。

彼らが後から入ってきた人材に教育することに制限がかかる。同国の外国人労働者に教育することは可能かもしれないが、日本人労働者に教育したり職場で指示を出すポジションについたりは不可能だ。

これはつまり職場に技術のストックがなされないことを意味する。

 

さらに円安の問題もある。

現在は相対的に日本での雇用環境が母国より優位にあるから継続しているが、ある瞬間を超えたら一気に引ける可能性がある。

その場合、もうびっくりするほどあっさりと職場から消えていく可能性が十二分にある。定時を過ぎたら一秒でも早く帰宅する人たちが、得られるリターンで納得できなくても残る可能性は極めて低い。

 

もしかしたら外国人労働者が、日本人の70歳定年と同じように働いてくれるかもしれない。

会社が日本人並みに日本語教育を無償で提供し、労働習慣をゆっくりでも日本人のように教育等でパラダイムシフトさせ、家族を招いても安心して生活できる処遇改善を提供すれば、あるいは日本人と変わらない働き方をしてくれるかもしれない。

だが、これをできるだけの人的投資が可能だというなら、ただ単に設備投資により人手不足を解消すれば済むことだ。おそらくはその方がコストが優れている。

 

どうしても外国人材に投資したいというなら否定しないが、その場合は同時に日本人労働者の処遇改善とセットにしなければならない。横目で自分たち日本人労働者より外国人労働者に人的投資するのを見て残り続けると思うのは経営者の傲慢だ。

日本人労働者が先に逃げ出し、さらに人材不足が加速する可能性を考慮しないといけない。日本人はお利口さんだが、給金に関してまでお利口さんでいられるほど日本の物価高は軽くない。

 

してみると外国人労働者が人手不足を根本解決するようには到底思えない。

日本の経営者の皆様、これらの疑問に対して真っ向から不安解消できるような回答を用意することができるのでしょうか。できるのであればぜひとも示していただきたい。