建設塗装工事業者約2,300社で構成された全国団体、日本塗装工業会は14日、シンナー類の塗料不足を訴えた。
加盟社でのアンケートでは希釈や洗浄に使うシンナーを「通常通り入手できる」とした企業は2.7%だという。
以下、会見内容の抜粋。
シンナー類の流通について
「現在、塗料の資源量であるナフサが、事実上の停滞状態にございます。この影響で、現場では塗料の希釈や洗浄に不可欠なシンナー類の注文が全く注文できない、あるいは極端な数量制限がかかるという異常事態に直面しております」
政府見解に対する反論
「政府は石油備蓄や代替調達により、十分な量は確保されているとの見解を示されていますが、実際の塗装現場では供給網が寸断されており、政府発表と現場の実態には極めて大きな乖離が生じております」
塗装は美観だけではなく、橋梁、鉄塔、ガスタンクなどの防錆の役割を担う。塗料不足により保全が機能しなくなれば将来的に莫大な修繕コストを招く。
また会員企業は年商1億円程度の小規模事業者であり、塗料不足による工事停止となれば職人が離職、情勢回復しても戻る保証はなく技術が失われる。
対する赤沢経済産業大臣の記者会見。
油脂類の流通を示したうえで、上流にある石油化学メーカー、商社がシンナーメーカーに「4月末までは例年通り、5月の供給は未定」と通達した。これを受けてシンナーメーカーと卸小売りが4月出荷を半減させた。
これについて赤沢大臣は
「4月は例年通り、5月は未定だよって言っただけで半分になっちゃった」
と会見で説明した。
どうも事態の深刻さを受け止めているように思えない。
「5月は未定だよって言っただけで」というが、具体的に確保のメドが立たなければ防衛的な出荷にならざるを得ないのは当然ではないか。
それをさも流通の川中が悪いかのように言うのはずいぶんな話だと思うがどうか。
政府は備蓄放出、代替の確保をいうが、世界中で確保に奔走している中、日本だけが悠々と十分な量が確保できるなどというのは、なんらかの具体的な説明がなければ納得しようもないと思うが。
事実、赤沢大臣は「5月は未定」という部分について何ら手当てをしていない。今日はもう4月15日、5月まで半月もない。この段階で「未定」と言われて通常通り出荷できるのはよほど経営センスが欠けているとしか思えないが。
昨日今日とトランプ米大統領がホルムズ海峡封鎖するとしたニュースが飛び交っている現在、「未定」はすなわち「出荷ゼロ」の可能性を否定できない。だったら防衛的な営業になるのは当然だろう。
政府の言うとおり通常営業して倒産したところで政府が補償するわけもなく、民間は民間で必死の取り組みをするほかにない。政府は実質的に流通への声掛けしかしておらず、なんら安心材料に欠ける。
不安をあおる気はないが、この調子ではオイルショックも現実のものになりそうだ。
