きのけんぶろぐ

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安全ルールは「国語」ではなく「数学」でやろう

職場で事故が起こる。

安全対策を打つ。

事故原因そのものをなくすのが最善だがコスト面で不可能。

だから安全ルールで対応しよう。

まあ、よくあるパターンだとは思う。

 

だが、そうであるならば、せめて間違いのない安全対策のためのルール作りをすべきだろう。

どうすべきか。

実際にイベントツリーを作る方法などはやらない。もっと手前の話。

 

たとえば生産工程Pがあり、トラブルA、トラブルB、トラブルCが観察されるとエラーになるとした場合、どういうルール作りをすれば安全側に立つことが出来るか。

トラブルAの場合は対応A'、トラブルBの場合は対応B’、トラブルCの場合は対応C'と並列すればよいか。

これは一定レベルが担保できた場合は有効かもしれない。

 

もっとも簡単なのは「生産工程Pを確認できなかった場合、ただちに機械を止める」とすることだ。

何が違うのか。以下の図で可視化するとこうなる。

 

 

前者は左をイメージしている。安定的に生産できる工程Pが正しく進み、トラブルA、トラブルB、トラブルCがあると想定している。

後者は違う。想定されるトラブル以外にもなにがしかの不確定事象が起こる場合があることを示している。

 

別の言い方をすると、左はPとAとBとCしか起こらないといっている。右はPとAとBとCとその他Qがあるといっている。

この場合、どちらが現実に即した把握をしているだろうか。

 

つまりPとP以外といった安全ルールの方が頑健だという事だ。

左のように最初から起こることを最小化した場合、想定外のことが起こると対応不全になる。また、AからCまで対応に習熟していることが前提になってしまう。

しかし人手不足だと言われている日本で、習熟したスタッフを確保できている生産現場がどれだけあるのか。

 

対応を網羅することが可能だとして、それは相当に神経の細かい現場になる。

Pだけ監視するのではなく、A、B、C、それぞれを判断することが要求されることで余裕がなくなる。

そして生産現場はおそらく3つ程度の対応では足りない。もっと負荷がかかることになる。かえって注意がそれて危険な現場になってしまう。

 

これは国語の話ではない。

数学の話だ。

PとA、B、Cを総和しても全事象を網羅することにならない。

網羅できない以上、対策に漏れが生じる。

その漏れにリスクがあるのか否か。