アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃から原油危機に。事態の長期化も視野に入れざるを得ない状況。
TBS CROSS DIG with Bloombergでは、過去のオイルショック等と現在との比較、原油先物取引、中東の原油供給能力、ホルムズ海峡の現状と想定、日本の対応などについて議論している。
とはいえ、動画は40分超。全部は見る余裕がない人向けにテキストで以下に続ける。
ホルムズ海峡が封鎖された先の代替として紅海パイプラインがあるが、現実的にはさほどうまくないようだ。

東西パイプラインでヤンブーから運ぶといっても、港湾能力から劇的な穴埋めは困難なようだ。
ホルムズ海峡も完全封鎖ではなく、中国やインドは通過させている。ただ、海峡を抜ける際に人民元で通行料を払えと。ドル建てではなく人民元建てとなればアメリカは面白くないだろうという指摘。
MCの竹下氏が「ホルムズ海峡封鎖は想定していたのか?」という質問したのに対し、商品市場のプロである新村氏は
「想定はしていた。イラン存亡の危機になったらあり得るだろう。しかしイラン存亡の危機になるほど攻撃されることが想定できなかった」
としている。
新村氏はそんな言い方はしていないが、結局はアメリカ・イスラエルが先制攻撃したことが混乱のトリガーになったということのようだ。
もう一人のゲスト、みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミストの唐鎌氏は2月中旬のCSISのシミュレーションの話として
「最大130ドルの想定。130ドルで日本の輸入で14兆から15 兆ぐらい増える。200ドルだと20兆。日本が歴史上経験した1番大きい貿易赤字と同等。想像絶する」
とコメントした。
ちなみに貿易赤字20兆円というのは、2022年度の話でロシアのウクライナ攻撃を受けた原油高騰と円安によるもの。当時で1ドル=130円台後半の円安。今は160円。耐えられるのか日本?
ここまででおおよそ折り返しの20分。
以降の話は世界のサプライチェーン、日本政府の対応、エネルギー問題に移っていく。
世界のサプライチェーン。
コロナ禍を引き合いに出し、何が足りなくて何が生産できないのか、「想像しろっていうけれど」実際に起こってみるまで分からない。現場では現物をかき集めるしかない。
狂牛病で日本の牛丼チェーンが大打撃を受けたことがあったが、あれから日本は何か学んできたんだろうか。それができるだけの余地も極小になっているんだろうか。
日本政府の対応として、ガソリン補助金については「短期的にはいいだろう」という評価。しかしこれが四半期から半年くらい続いた場合、政策の持続可能性等に疑問が生じる。そこに政府はどう対応すべきか。
この辺に対する懸念があるようだ。
そしてエネルギー。
LNGと石炭。とくに石炭はオーストラリアからの輸入。運ぶためのタンカーの重油がなくなったらどうなるか。
あるいはEUから出された原発回帰のメッセージ。
とはいえ、結局はどこのウランを買って、どこでウラン精製するのかという話にしかならず、そうまでやってエネルギー確保しても核のゴミの処理問題は日本ではクリアされていないので、そこまで真剣に採用すべき話ではないと思う。
金融やマーケットの人は、どういうわけか、こういう視点を持たずに話すのですごく違和感ある。
それ以外では非常に興味ある動画だった。時間があればぜひチェックすべき。
アメリカ・イスラエルが国際法違反だ。日本はイランと直接交渉しろという以外のオプションを持つためにも必要な視点が提供されている。
補助金と備蓄放出についても短期的な手当てでしかなく不十分だ。この先に高市政権がどう対応するかは注目しないと個人の生活防衛も危うくなる。
ところで、このブログ「きのけんぶろぐ」はただの個人ブログだ。昨日の記事もそうだが、わたしはTBS CROSS DIG with BloombergからもポリタスTVからも何かもらって書いているわけではない。ただ、情報アクセスの一つとして紹介している。念のため。