きのけんぶろぐ

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書店が消えることで読者が失うものは何か?

以前からチャンネルのマスコット・ブッコローが面白くて見ているyoutubeの「有隣堂しか知らない世界」で、次のような動画がアップされた。

 

www.youtube.com

動画のサムネに見える「本の利益率は-3%?」というフックが強い。引き込まれるように全部見てしまった。本が好きな人にはぜひ見てもらいたい動画。

そして本が好きな人と共有したい本エントリー。本だけに。

 

サムネのコピー「本の利益率は-3%?」の正体。

1000円の本一冊は、書店から見ると次のような内訳になっている。

 

 

仕入原価  780円(78%)

人件費   120円(12%)

テナント家賃100円(10%)

その他手数料 30円(3%)

占めて一冊30円の赤字。これが利益率-3%の正体。ちょっとホラー。

 

もちろん、本がよく売れる店舗なら人件費や家賃などの固定費は相対的に割合が低くなるので利益を確保できるのだが、モデルとしてはこういうことなのだろう。ペイペイなどキャッシュレス決済による店舗負担も地味に痛い。

 

動画はここまでなのだが、わたしはもう少し掘り下げる。動画では本の売上がピークに比べて40%以下なのだという。その中身はどうか。

出版科学研究所によると以下のグラフで販売構造の変化が示されている。

 

日本の出版販売額 | 出版科学研究所オンライン

 

よく見ると書籍は微減しているもののほぼ横ばい、減っているのは雑誌だ。

減った雑誌に代わって電子出版が伸びている。

グラフとは関係がないが、書店売上の減少はアマゾンなどネット通販などの影響もあるだろう。

 

別に紙だろうが電子媒体だろうが手元に読み物が届くならどちらでもいいのかもしれない。そうじゃないのかもしれない。

確かにマンガなどは紙媒体ではかさばるため電子媒体の方がよさそうだ。小説もそうかもしれない。

他方で専門書を電子媒体で入手しようとはちょっと思えない。わたしの手元の心理統計の本はもうボロボロだが、もし買うなら再び紙媒体を選ぶ。必要な時に確実に閲覧できる頑健さは紙の方に軍配が上がるからだ。

 

大学時代にテキストとして購入した「教育と心理のための推計学」

 

それだけを理由に書店を残せというほど懐古主義者ではないが、しかし書店には書店の良さがある。

アマゾンなどネット通販は購入履歴から勝手にオススメを推してくるが、書店は自分の好みと異なる書店員というキュレーターが自分では想像もしていなかった書物を推してくる。これこそが書店の良さだと思う。

 

この辺は新聞なども同様だ。ネットでも記事は読めるが、自分好みの記事ばかりピックしてくるからダメになる。今では大衆迎合のマスコミもどうかと思うが、本来は「社会人なら知るべきこと!」として新聞の第一面は誰でも把握しておくべきトピックスとして共有できていた。今はそれがない。

 

AIによるテキスト生成も同様で、ふんわり「それっぽい記事を出して」などとやると、体裁こそそれっぽい記事を出力するが、自力で探したときに手に入ったかもしれない新規の視点は絶対に手に入らない。

 

結局、ネットのやることは過去から現在までの平均像ないしネットが打ち出したい方向付けでしかなく、新しい価値を生み出す材料を提供するという点ではあまり役に立たない。

そういう意味では、書店を失うというのは社会の価値を目減りさせていっているように思うが、はたして今後はどのような形になっていくのだろうか。勝ち残れないものとして淘汰されるに任せるのか、新たなデザイン構築を業界が目指すのか。

いずれにしても、書店で手にする刺激は失われつつあるのが現状なのだろう。

 

あなたはどう感じる? この記事を読む以上、少なからず本に興味のある方なのだと思うが。エラソーなことをいって、わたしもめっきり書店で本を買う機会が減った。本好きのあなたの視点も教えてほしい。よければコメントで、あるいはXのアカウトで教えてほしい。