きのけんぶろぐ

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不足したのがオイルなら備蓄放出で、コメなら不関与、なぜだ?

高市首相は11日、中東の不安定化にともなう原油高騰を受けて備蓄放出を発表した。

とても早い。

 

令和8年3月11日 イラン情勢に関する政府の対応についての会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ

 

その前日の10日、鈴木農相はコメの価格高騰について政府は関与しないという従前の態度を繰り返した。

 

鈴木農林水産大臣記者会見概要:農林水産省

 

オイルとコメ、いずれも国民生活にダイレクトに影響する。

ところがオイルは出すが、コメは出さないという。

なぜだろう。

 

まずガソリン価格だが、高市政権は昨年末から暫定税率の廃止を施行している。

しかし覚えているだろうか、民主党政権下の暫定税率の停止と比べて価格下落の効果がやけに小さかったことを。

 

その理屈はこうだ。

 

確かに暫定税率を廃止した。しかし同時に補助金も停止した。

ここが非常に分かりにくいところだ。民主党政権時は単に暫定税率を停止した。だから価格が一気に下がった。これを自民党が復活させたため、価格が引き上げられた。

自民党は違う。暫定税率廃止に先立って補助金を出す。そして廃止と同じ水準になるようにコントロールする。廃止のタイミングで補助金0円とし、目に見えた効果が出ない。国民実感がない。

 

そのカラクリは資源エネルギー庁の資料にある。

リンクと同時にスクショを貼ろう。

 

暫定税率廃止後に価格低下を実感できないカラクリ

ガソリン・軽油の暫定税率廃⽌に向けた補助⾦の段階的拡充について|資源エネルギー庁

 

ガソリンの暫定税率は25.1円/Lだ。昨年12月11日時点で補助金は同水準となっている。

この時点で暫定税率廃止と同じ効果が市況にもたらされる。

そして実際の税率廃止とともに補助金0円とする。

 

ちなみにアメリカ・イスラエルのイラン攻撃を受けた原油価格高騰に対する措置に関する会見で、高市首相は備蓄放出以外に次のような発言をしている。

 

このような事態を踏まえまして、国民の皆様の生活と経済活動を守るため、緊急的な激変緩和措置を早急に実施するよう、赤澤経済産業大臣に指示しました。

 

ここでいう「激変緩和措置」が昨年末に拡充された補助金のことだ。エネ庁の当該ページを見ればわかりやすい。

 

激変緩和措置と定額引き下げ措置が並ぶ特設ページ

燃料油価格定額引下げ措置|経済産業省 資源エネルギー庁

 

二つ並んでいる。看板だけ違う中身が同じもの。

つまり最初から政府はガソリン価格をコントロールしている。価格操作によって業界団体もコントロールする。

今回は支持率低下のリスクが見えたため、また国会運営の傲慢さがニュースに露出し始めたため、まさに千載一遇。あらゆる方面で打つべき政策となった瞬間だ。

 

確かに備蓄原油を放出するが、肝心なのは激変緩和措置の方だ。政府がいくらでも操作できる。現物よりよほど直接的にコントロールできる政策だ。ここが肝。

 

続いてコメについて。

鈴木農相は一貫してコメ価格引き下げのための備蓄米放出を否定している。

3月10日記者会見でも以下のように述べて政府が価格にコミットしないと言っている。

 

今後、国が備蓄米のまず買入れ、これを行うことになろうかというふうに思います。今準備を進めているものであります。その上で申し上げますと、備蓄米の買入価格は、入札に参加する事業者がそれぞれの判断で応札する価格により決まるものでありまして、政府として何か価格を決めるというものではありません。

 

まず政府が米価に関与しないというのがウソだ。

だったらなぜ、減反政策の亡霊とでもいうべき「水田活用の直接支払交付金」が存在するのか。事実上、水田に麦ソバ大豆を栽培させ、水稲の生産量を調整する機能のある制度を、予算3500億円もかけて施行し続けるのか。

生産を絞っているのだから米価にコミットしているのも同然だ。

 

「米価が安くなると農家が困るではないか」という。

水田活用の直接支払交付金を廃止して農家に直接所得補償すればいい。予算3500億円を丸々使えるのだから財源論は発生しない。

米価が安くなっても農家の所得に影響がなければ国民は喜ぶ。おいしく食べてもらえるなら農家も喜ぶ。誰も困らない。困るのは集荷団体だけだ。つまりJAだ。

 

この辺はわたしよりよほど詳しく説明している方がいる。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁氏の記事に譲る。

 

なぜ米の値段は一向に下がらないのか…元農水官僚が告発する「農政の闇とJAの107兆円マネー」 | キヤノングローバル戦略研究所

もし減反をやめて米価が下がれば、効率の悪い零細の兼業農家は耕作を止めてしまうでしょう。彼らが離農するとJAの組合員が減り、金融ビジネスの基盤である預金が流出してしまう。JAは何としても兼業農家を農村につなぎとめておきたい。そのために必要なのが、減反政策による『高い米価』なのです

 

おわかりか。

オイルとコメ、一方は放出、一方は不関与の態度を示しているが、やっていることは同じ。業界団体をマネーで縛って集票し、政治をコントロールし続けることだ。

表面上、オイルは緩和、コメは農家保護とやっているだけで、中身は「国民に負担させればいいじゃない」とは、どこかのフランス王妃の有名なセリフ「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と変わりない。

 

自分の懐を痛めることなく、しかも業界団体を政治でコントロールすること、この両輪を回すのが自民党政治だ。

悪夢の民主党政権は素直にやって誰も業界団体が得しなかったから票を逃して下野した。

自民党は強い。政治で業界をコントロールする。国民が気付くまで、これは続く。あなたは気付いた。どう思う?

 

わたしとブログ記事を「ウソだ」と断定すれば、あなたの世界は今まで通りだ。ページバックしてさあ、おしまい。

記事にある内容を検索したらあなたは違う世界を見ることになるかもしれない。わたしは誘導しない。ただ示すだけ。

わたしは二つの錠剤を示しているのかもしれない。青と赤の錠剤を両手に一つずつ持って、手のひらを上にして。わたしは夢の神の名前を名乗っていないし、ブログ上では仲間もおらず、たった一人だけども。

 

あなたはどちらを選ぶ? さあ!