平均賃金を知るのにいくつかの統計データがある。
その中で職種別、産業別、学歴別等のほかの条件とクロスしてチェックできるのが、賃金構造基本統計調査だ。
データは政府統計ポータルサイトe-Statで参照できる。本エントリーはサイトでは教えてくれない賃金統計データの拾い方、確認の仕方について示す。
まず「賃金構造基本統計調査 e-stat」で検索する。
あるいは以下のリンクをクリックしてもよい。
賃金構造基本統計調査 _ ファイル _ 統計データを探す _ 政府統計の総合窓口
すると以下のページに辿り着けるだろう。

赤く囲った部分をクリックする。
すると以下のように階層でデータ一覧の項目が確認できる。

2026年3月現在、最新データは令和6年(西暦2024年)だ。
このうち職業[22件]をクリックする。

すると次のページに飛ぶので「職種(大分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) 」の右端にある緑のボタンをクリックする。

同じく「職種(大分類)、性、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値(産業計)」の右端にある緑のボタンをクリックする。

すると「(1-4-2)aa1s29」及び「(1-4-18)aa1s35」というファイルがそれぞれダウンロードできる。(※2026年3月現在の話.e-Statの更新によりファイル名の変更あり)
ファイル「(1-4-2)aa1s29」を開くと以下のような表が確認できる。

ここに示されているデータのうち、「きまって支給する現金給与額」とは、
労働契約、労働協約あるいは事業所の就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって6月分として支給された現金給与額をいう。手取り額でなく、所得税、社会保険料などを控除する前の額である。
をいう。
対して「所定内給与額」とは
きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額
のことだ。
いずれも平均値がプロットされている。
次にファイル「(1-4-18)aa1s35」を開くと以下のような表が確認できる。

さっきのファイル「(1-4-2)aa1s29」は平均値だが、ファイル「(1-4-18)aa1s35」ではより詳細を確認できる。
どのゾーンにどれくらいいるかがはっきりわかる。
たとえば「管理的職業従事者」のうち「400.0 ~ 449.9」つまり40~44.9万円の「所定内給与額」をもらっているのは、22208人ということになる。
給与額のばらつきは、表をざっと見ても確認できるだろう。
おおよそ項目の中央より高い方に寄っている。
これは、平均値が”真ん中”になく高い方に寄っていることを意味する。
したがって、賃金統計では平均値以外の値で全体を把握することが絶対になる。
もう一度表を確認してほしい。「第1・十分位数」など見慣れない項目があることが分かるだろうか。

各項目は以下のような意味を持つ。
第1・十分位数 --- 下位10%の値
第1・四分位数 --- 下位25%の値
中位数 --- データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中にくる値。いわゆる中央値
第3・四分位数 --- 上位25%の値
第9・十分位数 --- 上位10%の値
これがどういうことか。具体的に数値を拾って確認する。
ファイル「(1-4-2)aa1s29」から「男女計」「管理的職業従事者」の「所定内給与額」は約57万円。
次にファイル「(1-4-18)aa1s35」から「管理的職業従事者」の項目を眺める。「中位数」は約53万円。平均値57万円より低い。「第3・四分位数」の65万円よりは低いが、平均値でイメージするような「真ん中」には程遠い。
あるいは「輸送・機械運転従事者」は平均値24万円は、中位数27万円より第1・四分位数22万円に近い。
このように平均値以外のデータを参照することで職種ごとに給与の分布が確認できる。
あなたの賃金は平均値に近いだろうか。中位数に近いだろうか。まずはそうした目で確かめることで、全体を把握する力を養えるだろう。
ちなみに最初に言っておくが、わたしは政府系の回し者ではない。
むしろ政府にこそ、こうした使い方の説明をしてほしい。
最初から国民にデータを渡す気がないのだろうか。
本ブログで初めて賃金構造基本統計調査のデータを扱った記事がある。以下がそのリンクだ。参考までに。